思い返せば、あの紙ストローがマックにやってきたのは、もう数年前のことです。
最初のころ、僕は正直「まあ、環境のためなら仕方ないか」と思っていました。
だけど、数分後にふにゃっと曲がるその頼りなさに、心のどこかで「おい」とつぶやいたのを覚えています。
冷たいコーラを飲むたび、ストローはまるで“真夏のアスファルトに立ち尽くすアイス”みたいに、じわじわと力を失っていった。
あの感触、覚えている人はきっと多いはずです。
そんな紙ストローが、とうとう姿を消すと聞いたのは、秋の空気が少し冷たくなり始めたある日のことでした。
「マクドナルド、紙ストロー終了」
スマホのニュースを見た瞬間、僕は心の中で拍手をしてしまいました。
「長かったな」と。
しかし、「飲みにくさ」という課題は一因だった可能性がありますが、廃止の背景にはそれ以上の事情があったと考えられます。
むしろ、企業が環境と快適さのバランスを3年かけて模索した末の“ひとつの答え”だったのでしょうか。
この記事でわかることは、ざっくりこんな感じです。
- 紙ストロー廃止は“まずい”だけが理由じゃなかった話
- 実は「紙=エコ」とは言い切れない環境負荷の裏側
- 3年越しに改良された「ストローなしリッド」の仕組み
- 世間のリアルな反応と、これからの“続けられるエコ”
※この記事はSNS情報を中心に書かれていますが、意見や感じ方は人それぞれです。
推測の域を出ず、異なる意見や見解があることも理解しておりますので、どうかご了承ください。
本記事を通じて、少しでも多くの方に伝えられれば幸いです。
紙ストローが始まった背景と“違和感”
あの紙ストローがマックに登場したとき、多くの人が最初に感じたのは「おっ、環境にやさしそう」という印象だったと思います。
プラスチック削減の流れが社会全体に広がっていた時期でもあり、環境配慮の象徴のように語られました。
でも、その“理想”と“現実”には、静かにずれが生まれていきました。
特に冷たい飲み物を頼んだときの、あのふにゃっとした口当たり。
飲み進めるうちに、ストローがじわじわと水分を吸い込んで柔らかくなっていく感触。
それは、たとえるなら「梅雨の日の段ボール」のような頼りなさです。
マックが紙ストローを導入した背景には、確かにしっかりとした環境目標がありました。
容器や包装資材をリサイクル素材や再生可能な素材に切り替える取り組みの一環で、年間6600トンものプラスチック削減を目指すという壮大な方針でした。
それは“地球のために”という大きな理想の旗印だったのです。
しかし一方で、実際に紙ストローを使った利用者の声は、必ずしも好意的なものばかりではありませんでした。
「飲みにくい」「炭酸が抜けやすい」「口に当たる感じが苦手」。
こうした小さな“違和感”が、じわじわと積み重なっていったのです。
企業の理念と、利用者の現実。
この間に生じた小さなズレが、のちの大きな方針転換へとつながっていきました。
✅ 紙ストロー導入は環境配慮の象徴としてスタート
✅ しかし、実際の使用感とのギャップが利用者の違和感を生む
✅ 小さな不満が、やがて企業の判断材料となった可能性がある
実は“紙=エコ”ではなかった?環境負荷の話
紙ストローが登場したとき、僕はちょっと誇らしげでした。
「ほら見ろ、地球の未来が俺の口元から始まっているじゃないか」と。
でも、冷静に考えると、僕がやってることはただのコーラを飲んでいるだけです。
地球が救われるほどのことはしていません。
むしろ氷でキンキンに冷えたそのコーラをすすりながら「エコ、最高」とドヤ顔していたわけで、今思うと恥ずかしい。
で、ここがちょっとややこしいんですが──
紙って、なんとなく環境によさそうなイメージあるじゃないですか。
でも実は、紙を作るときって水も薬品も結構使うんですよね。
つまり「紙=即エコ」というほど単純な話ではなかった、というオチ。
しかもプラスチックも、悪役みたいに扱われがちですけど、燃やすときの火力では意外と役に立つという事実。
水分たっぷりの生ごみと一緒に燃えるとき、補助燃料みたいに働いてくれる。
まさかの“裏エース”です。
「紙がいい」「プラが悪い」って、どうしても二元論で語りがちです。
でも本当の問題は素材じゃなくて、「どう使って」「どう処理するか」なんですよね。
だからこそ、マックも“理想のエコ”から“現実的なエコ”へと舵を切ったのだと思われます。
紙をやめたからといって環境を軽視したわけではなく、むしろ“使えるエコ”を選んだという話なのです。
✅ 紙=エコは、思ったより単純じゃなかった
✅ プラにも実はちょっといいところがある
✅ 素材よりも「仕組みと使い方」がカギになる
違うんだよ フタを紙にしてストローをプラスチックにして欲しい これまで紙ストローの時に「フタはプラスチック使ってるじゃん」 って思っていた どうして微妙にズレた対応になるのでしょうか… 紙ストローが唯一の悪なんです
https://x.com/dp_mirumo/status/1982764788041347403
3年越しの改良、新リッドに込められた狙い
紙ストローがじわじわと世間に“ふにゃふにゃの思い出”を刻み込んでいる間も、マックは黙っていたわけではありません。
裏では、3年かけて「ストローがなくても気持ちよく飲める仕組み」を開発していたのです。
3年ですよ。
オリンピックが1回できちゃうくらいの年月です。
それだけの時間をかけて、たどり着いた答えが──“新しいフタ”でした。
新しいリッド(フタ)は、リサイクルPET100%で作られていて、見た目はちょっと未来感があります。
飲み口がついていて、ストローがなくてもそのままゴクゴク飲める。
しかも炭酸が噴き出しにくい構造になっていて、こぼれにくい。
いわば「ストローなしでも裏切らない、安定感のある飲み口」です。
ここがなかなか絶妙でして。
紙ストローは「環境にはいいけど使いにくい」、プラストローは「便利だけど環境に悪い」と言われがちでした。
マックはそのどちらにも属さない“第三の道”を狙ったんですね。
しかも、すべての商品からストローを一斉に消したわけではありません。
シェイクやフロートなど、ストローじゃないと厳しいものについては、きちんと従来どおり残す形をとっています。
「エコだから全部変える」じゃなくて、「必要なとこは残す」という判断。
これ、冷静に見てかなり現実的な戦略です。
3年かけてようやく登場したこのフタは、
「環境のために我慢しなきゃいけない」ではなく
「自然に、何も考えずにエコできる」を目指したものだと考えられます。
✅ ストローを使わなくても飲みやすい構造
✅ リサイクルPET素材で環境にも配慮
✅ 全廃ではなく“柔軟な使い分け”という現実的判断
世間の反応と、これからの“使えるエコ”
ニュースで「マクドナルド、紙ストロー終了」と流れたその日、ネットはちょっとざわつきました。
みんな、あの“ふにゃふにゃストロー”に心当たりがあるんです。
だからこそ反応が早い。
「やっとか」という声があれば、「いや、運転中に直飲みはキツい」という声もある。
さらに「炭酸抜けるのでは」という不安もちらほら。
思い出話のようでいて、けっこう生活に直結しているんですよね、この話。
特にドライブスルー勢はシビアです。
信号待ちで飲もうとして、氷がガラガラ鳴って顔にピチャッ……なんてことになったら悲惨です。
「飲みやすさ」は地味だけど生活の快適さに直結していると、ここで多くの人が気づくのです。
それに、小さな子どもがいる家庭では「こぼさずに飲めるか」という視点も重要です。
子どもと車の中でこぼれる炭酸。
想像するだけでシートが sticky。
だからこそ、マックも「全部廃止」ではなく「必要なところには残す」という柔軟策をとったのでしょう。
もう一つ見逃せないのが、過去の“環境対策”に対する人々の記憶です。
たとえばレジ袋有料化。
「結局エコ効果が見えなかった」と感じた人が多く、エコ施策への信頼度はちょっと揺れている。
だからこそ、今回のストローレスリッドも「実際、どれくらい効果あるの?」という視点で見られているのです。
企業が環境対策を打ち出すときに大事なのは、理想を語ることではありません。
「ちゃんと使える」こと。
そして「使い続けられる」こと。
今回のマックの判断は、そういう現実的な目線にしっかり立っているように見えます。
✅ 世間の反応は「歓喜」と「ちょっとした不安」が混在
✅ 使いやすさは環境施策のカギ
✅ 過去のエコ政策の経験が、反応にも影響している
さいごに
紙ストローが登場したとき、多くの人が「おお、ついにエコの時代がきたぞ」とちょっと胸を張りました。
でもその数分後には、ふにゃっと曲がったストローを見つめながら、「あれ?」と思った人も少なくなかったはずです。
そして今、あの紙ストローは静かに姿を消そうとしています。
これは、ただの“ストローをやめました”という話ではありません。
「理想」と「現実」のちょうど真ん中で、企業が3年かけてひとつの答えを出した物語です。
環境を守るためには、ちょっと我慢しなきゃいけない。
──そう思っていた時代は、少しずつ終わりに近づいています。
これからは「自然に、気づかないうちにエコになる」仕組みが、どんどん増えていくのかもしれません。
マックの紙ストロー廃止は、“エコの後退”じゃない。
“エコの次のステージ”です。
ストローを1本なくすよりも、気持ちよく飲めるフタを1個増やす。
その方が、長い目で見れば環境にも人にも優しい。
僕はそういう“地味で強い”変化が、結構好きです。
✅ 紙ストロー廃止は後退ではなく「改善」
✅ これからのエコは「我慢」ではなく「自然」へ
✅ ストロー1本の裏に、企業の3年の努力がある
本記事の参照情報(出典整理)URL一覧
- 日本マクドナルド 公式ニュースリリース
https://www.mcdonalds.co.jp/ - オリコンニュース
https://www.oricon.co.jp/ - 環境省(プラスチック資源循環法関連情報)
https://www.env.go.jp/ - 環境省(プラスチックごみ削減に関する指針)
https://www.env.go.jp/earth/ - 経済産業省(バイオマスプラスチック導入関連情報)
https://www.meti.go.jp/ - 国立環境研究所(プラスチック焼却と環境負荷に関する技術資料)
https://www.nies.go.jp/ - 日本包装技術協会(容器包装とリサイクルに関する解説)
https://www.jpi.or.jp/
