サムネ:引用元 (記事内容には関係ありません)
生成AIであっても、“わいせつな裸女性の画像”を販売すれば違法になる
――そんな全国初の摘発が大きな波紋を呼んでいます。今回の事件は、単なるAI技術の誤用にとどまらず、「絵だからOK」「実在しないからセーフ」と思い込んでいた私たち自身の意識の甘さを突きつけるものでした。
私自身もかつて、AI画像生成を気軽に楽しんでいたことがあります。しかし、報道を目にした瞬間、「これ、自分もやってたら捕まっていたのでは…」と強烈な恐怖に襲われました。たとえ遊びでも、ルールを知らなければ法を犯してしまう。それが、今の時代なのです。
本記事では、この事件がなぜ“違法”とされたのかをわかりやすく解説するとともに、AI画像生成にまつわる見落とされがちなリスクや、今後誰にでも起こりうる問題についても掘り下げていきます。AIを活用する全ての人が、安全かつ適切に向き合っていくための、第一歩としてご活用ください。
参考記事:Yahooニュース
この記事でわかること:
- なぜ生成AIによる裸女性画像でも「わいせつ物」として違法とされたのか
- 「実写じゃないからセーフ」は通用しないという現実
- SNS写真がAIに学習されるリスクとその実害
- 日本と海外の法整備の違い
- AI時代における倫理と責任の所在
※この記事はSNS情報を中心に書かれていますが、意見や感じ方は人それぞれです。推測の域を出ず、異なる意見や見解があることも理解しておりますので、どうかご了承ください。本記事を通じて、少しでも多くの方に伝えられれば幸いです。
生成AIでもわいせつ物に?全国初摘発が示す「表現内容」の壁
>なんでだめなん?無修正だから? ⇒そうです
https://x.com/kono_realaka/status/1911961836213485658
>アイコラ職人ってこと? ⇒違います。AI生成です
>売る方も買う方もアウトだ ⇒買う方は法令的にはセーフ。捕まらない
>架空の物でも起訴されるんか? ⇒されます。AIでも手書きでも生身でも関係ない。無修正エロ漫画で実刑の判例もあり
実写でなくても違法とされた背景
生成AIによって作成された画像が、「実在しない人物」だったとしても、それがわいせつであれば違法と判断される――。この点に、事件の本質があります。
今回摘発されたのは、AIで裸女性の画像を生成し、それをポスターに印刷して販売していた男女4人。商品画像では一見モザイク処理を施していたものの、実際に購入者へ届いたものは“無修正”でした。
警察はこの点を重く見て、「モザイクなし=わいせつ性あり」と判断。生成物がAIによるものであっても、内容次第で刑法175条に違反すると結論づけたのです。
✅ AI画像でも、無修正のわいせつ表現は「絵」では済まされない
モザイク処理の有無と“違法性”の関係
タイトルに”生成AI”ってついとるけど、これ捕まった理由は”猥褻物頒布”だからAIじゃなくても普通に捕まる案件
https://x.com/KaranVtuber/status/1911940386572128555
全て AIで生成したポルノ画像なら現実にAV強要などの被害者が存在しないだけ害悪は少ないと思いますが、無修正である限り日本では「善良の風俗」を害するためアウトなんですよね。これだけネットに無修正ポルノが溢れているのに。そよりディープフェイクポルノをどうにかして欲しい。
https://x.com/WEB110YOSHIKAWA/status/1912013064721105248
多くの人が「モザイクをかければセーフ」「出品時に隠していれば問題ない」と考えがちです。しかし今回の摘発では、「実物が無修正で届く」という販売方法自体が違法性を問われたのでしょう。
つまり、“販売を目的として作成された無修正わいせつ画像”である限り、それがAIによるものであっても摘発対象となり得るのです。
✅ 「出品時はモザイク付き」でも、中身が無修正ならアウト
同人誌やCGとの違いはどこに?
「AIで作ったものがダメなら、昔からある同人誌やエロCGはどうなるのか?」といった声も、SNSでは多く見られました。
たしかに、過去にはわいせつな漫画・イラスト・CGでも摘発に至った例はありますが、今回のように“AIによる生成物”が直接的な摘発対象になるのは全国初。
その意味で、「創作かどうか」「写実性が高いか」「頒布目的があったか」という点が、今後の判断基準になってくる可能性があります。
✅ 違法かどうかは、内容・文脈・頒布意図の3点で見極められる
自分に似たAI画像が出回るリスクとは?誰でも“被害者”になり得る現実
AI画像が“誰かに似てしまう”問題
今回の摘発では「特定の人物に似せた」AI画像ではありませんでしたが、実際には「そっくりな生成画像が出回る」ことで二次的被害が発生するリスクがあります。
AIはインターネット上の膨大な画像を学習しています。その中には、SNSやブログに投稿された一般人の写真も含まれている可能性があると指摘されています。
つまり、本人とは無関係であっても、「なんだか似ている裸画像」が突然ネットに現れる…そんな事態が、現実になってきているのです。
✅ AIは偶然“あなたに似た人”を生成してしまう可能性がある
SNS写真が“素材化”される危険性
SNSに無邪気に投稿した1枚の写真。それが、生成AIの学習素材として活用され、裸女性の画像として出回る――。
そんな恐ろしい事態が、理論上はいつでも起こり得ます。とくに顔の特徴が際立っている場合や、バストアップの構図などはAIが「学習しやすい」とされており、悪意ある生成のターゲットになりやすいのです。
また、有名人やインフルエンサーのように名前や顔が広く知られている人物ほど、悪用されるリスクは高まります。
✅ SNS投稿の無防備さが“性被害”の引き金になることも
風評被害や精神的苦痛の現状
「本人ではないが、あまりに似ている」
このようなAI画像は、ネット上で“本物”として拡散される恐れがあります。そしてその結果、本人が受ける風評被害、誹謗中傷、精神的ダメージは計り知れません。
しかも、画像が違法であるかどうか以前に、一度拡散されたAI画像は完全には消せません。デジタル社会において、それは「取り返しのつかない性被害」となるのです。
✅ AI画像は「フェイク」でも、現実に被害を生む“本物”になりうる
日本の法律はもう限界?AI・ディープフェイクと法整備のギャップ
現行法ではなぜ対応が難しいのか
現在、日本でAI生成によるわいせつ画像を取り締まる根拠は「刑法175条(わいせつ物頒布等の罪)」のみに頼っています。この法律は、もともと印刷物や写真などの“実物”を対象としたもので、AI画像やディープフェイクといった新技術を想定していません。
そのため、「架空の人物だから」「実写じゃないから」という理由で、これまでグレーゾーンとされてきた領域が、ようやく今回の摘発で“黒に近い”と判断されたにすぎません。
つまり、今の日本の法律では「技術の進化に制度が追いついていない」のです。
✅ 現行法では、AIやフェイク画像への対応力が限界に近づいている
海外との法整備の違い
一方、海外ではディープフェイクや生成AIに対する規制が急速に整備されています。
たとえば、アメリカでは州によっては「性的なディープフェイクポルノの拡散を犯罪」と明確に定義し、罰則も整えています。EUでも、ジェンダーに基づくオンライン暴力(Technology Facilitated Gender-Based Violence)としてAIポルノを法規制の対象に組み込む動きが加速しています。
それに対し、日本はあくまで「わいせつ性の有無」に依存して判断を下しており、AIやフェイク技術への包括的な対応策がまだ存在していません。
✅ 海外に比べ、日本の対応は一歩も二歩も遅れている
リベンジポルノや盗撮罪との比較
日本にはすでに、2014年に成立したリベンジポルノ防止法、2023年に施行された盗撮罪があります。しかし、これらはいずれも“実在の人物”を対象としたものであり、「AI画像」や「フェイク画像」には適用されません。
このことからも、AI時代の新たな性被害や倫理的課題に対応するためには、既存の法律の“延長線”ではなく、ゼロベースでの法整備が求められていることがわかります。
✅ AIによる新型の被害に、既存の法律では対処しきれない
「知らなかった」は通用しない?販売と閲覧に潜む法的リスク
創作・個人利用はどこまで許される?
SNS上では「自分もAI画像を趣味で作っているが大丈夫か?」という不安の声が多数見られました。しかし、現在の日本の法律では、「所持」や「個人利用」そのものがただちに違法とされるわけではありません。
問題になるのは、“販売目的で頒布した場合”。今回の事件でも、画像が無修正だったことと、それを商品として取引した行為が刑法違反とされたのです。
つまり、自分だけで楽しむ範囲ならグレーですが、「頒布=他者に渡した瞬間」からは明確にアウトになり得ます。
✅ 創作そのものはセーフでも、「頒布・販売」が線を越えるポイントになる
「モザイクでカモフラージュ」でもNG?
一部では「モザイクをかけてさえいれば法に触れない」という認識もあるようです。しかし、今回のように「商品画像にはモザイクを施しつつ、実物は無修正」という手法が摘発されたことで、それが誤解だったと明らかになりました。
重要なのは「実際に届けられるモノの中身」。見せ方でごまかすことはもはや通用せず、むしろ悪質と見なされる可能性すらあるのです。
✅ 表面的な“加工”では逃げ切れない時代になっている
見せしめ摘発と拡大解釈の懸念
一部では「今回の摘発は見せしめでは?」という声もあります。実際、生成AIの普及に伴い、類似のコンテンツは大量に存在すると見られており、「なぜ彼らだけが?」という疑問は残ります。
ただ、それ以上に重要なのは、「前例ができた」ということ。これにより、今後はさらに幅広い事例が摘発の対象になっていく可能性があります。
過去にはセーフだったものが、これからはアウトになる――そういった“認識のズレ”が、あなたを加害者にしてしまうかもしれないのです。
✅ 前例が作られたことで、取り締まりの裾野は広がる一方になる
誰もが加害者になる時代へ:モラルの欠如が次の事件を生む
技術進化と“倫理の未整備”のズレ
生成AIの進化により、専門的な知識がなくても、誰もが高度な画像や映像を簡単に作れるようになりました。それ自体は技術の進歩として歓迎すべきことですが、問題は「モラルや規範意識」がまったく追いついていないことにあります。
とくにわいせつなコンテンツについては、「売れるから作る」「どうせバレないから平気」といった短絡的な発想が蔓延しており、モラル不在の“無法地帯”と化している領域も少なくありません。
✅ 技術は進んでも、使う人間の倫理観が追いついていなければ危険
SNSでの販売の“抜け道”とは?
今回の摘発でも、「商品画像にはモザイクがある」「AIで作ったから実在人物ではない」といった、いわゆる“抜け道”を利用する形で販売が行われていました。
しかし、そうした抜け道も今や通用しない時代になりつつあります。プラットフォーム側も、社会的責任を問われるようになっており、取り締まりの目は一段と厳しくなっていくでしょう。
結局のところ、「バレなきゃいい」という発想そのものが、次の被害者を生み出すのです。
✅ 抜け道を狙った行動が、社会的には最も責められる対象となる
社会全体が取り組むべき課題とは
こうした問題を防ぐには、個人レベルでのモラル向上だけでは不十分です。
法整備を進める政治・行政、販売の舞台となるプラットフォーム、そしてSNSで情報を発信する一般ユーザー――全員が一体となってこの構造的な課題に取り組む必要があります。
また、AI時代にふさわしい「倫理教育」や「デジタル市民意識」の醸成も不可欠です。新しい技術と共存していくためには、「できるからやる」ではなく、「やるべきかどうかを考える」視点が求められています。
✅ 加害者にも被害者にもならないための“共通ルール”が求められている
世間の反応まとめ
(生成AIで作られた裸女性のわいせつ画像販売・全国初摘発事件について)
1. 違法性への驚きと戸惑い
- 「AIで作った画像でも“わいせつ物”として摘発されるのか…」
- 「CGや同人誌と何が違うの?線引きがわからない」
- 「モザイクがあればセーフと思っていた人、多かったのでは」
✅ 生成物が“絵”であっても、わいせつ性があれば違法という現実に驚きが広がっている
2. 「誰かに似てしまう」ことへの恐怖と懸念
- 「自分にそっくりな裸画像がネットに出てきたらどうするんだ」
- 「SNSに上げた顔写真をAIが学習に使っていたら?」
- 「無関係なのに性的対象として扱われるのは屈辱」
✅ 実在人物に“似てしまう”ことによる風評被害や性被害への警戒感が高い
3. 法整備の遅れへの不満と問題提起
- 「リベンジポルノ法も盗撮罪も“実在の人物”が前提。AIはスルー?」
- 「海外はディープフェイク規制進んでるのに日本はまた周回遅れ」
- 「刑法175条だけでは限界。現代に即した新しい法が必要」
✅ 現行法では技術進化に対応できておらず、“法の空白”が指摘されている
4. モラル・倫理面への警鐘
- 「技術の進化がモラルの進化に追いついてない」
- 「誰でも違法コンテンツを作れてしまう時代、規範意識が重要」
- 「売れるから作る、バレなきゃやるという発想が危うい」
✅ 「AIを使う人間側の意識が問われるべき」という声が多い
5. 商売としての“おいしさ”と危険性の両面指摘
- 「副業レベルで1000万円って正直うらやましいが…リスクがデカすぎ」
- 「AIと外注を組み合わせればいくらでも量産できるビジネスモデル」
- 「捕まったのは“見せしめ”では?」
✅ 一部では“割り切ったビジネス”としての側面に注目する声も見られた
6. プラットフォームの責任に関する意見
- 「そもそも出品できるオークションサイトが野放し」
- 「全部の販売者は取り締まれない、だから運営に圧力をかけるべき」
- 「警察じゃなく、まずフリマ運営が削除対応すべきでは?」
✅ 個人の問題ではなく、販売環境全体への監視強化を求める声も
7. 社会全体の混乱と無関心への危惧
- 「“モザイクの有無”だけで合法・違法が決まるのもおかしくない?」
- 「警察はこんなくだらないことで動くより他にやるべきことがある」
- 「もうネット社会では“わいせつ”の定義が時代遅れでは?」
✅ 倫理・法律・文化の不一致に戸惑う声や、法自体への疑問も出ている
AI技術と性表現の未来に向けて:社会が今すぐ考えるべきこと
今回の摘発事件は、単なる“AIの悪用”で片付けられる問題ではありません。
それは、「わいせつ物の定義とは何か」「表現の自由と公共性はどこで線引きされるのか」そして、「技術進化にどう法が追いつくべきか」といった、社会全体が抱える課題を浮き彫りにするものでした。
生成AIは本来、創作やビジネス、日常の便利さを高めてくれるポテンシャルを持つ技術です。しかし、それをどう使うか――それこそが、これからの時代に求められる“人間の責任”ではないでしょうか。
「AIで作った画像だからセーフ」
「モザイクさえかければ大丈夫」
「実在の人物じゃないから問題ない」
そう思っていた人たちが、ある日突然、加害者として名指しされる可能性がある。今回の事件は、それを現実として突きつけました。
だからこそ、今この瞬間から、自分はどう使うのか、何を作るのか、そして誰を傷つける可能性があるのか――その一つ一つを立ち止まって考える必要があります。
そして、社会全体としては、時代遅れの法制度や規制の穴を埋める法改正を進めると同時に、プラットフォームの責任体制やデジタル倫理教育の強化が急務です。
わいせつ画像は「実写かAIか」ではなく、「内容で違法かどうか」が問われます。
「知らなかった」では、もう通用しません。
これからは、“創る側”も“見る側”も、自分が責任を負う覚悟を持たなければならないのです。