
並んでいたのは、私のはずだった──
先頭から数えて14番目。
真冬の早朝、鼻水をすすりながら3時間並んだその列に、突如「え、誰?」という人物が割り込んできました。
しかも、スマホ片手に堂々と依頼主らしき人と通話しているのです。
「代行で〜す!◯◯さん、来ましたー!」
列の空気が一瞬で凍りました。
その瞬間、私は思ったのです。

並び代行って、そもそも合法なの?
こんなことが許されていいの?!
「並ぶのが苦手」なあなたへ――
昔の私は、何時間も並ぶのが本当に苦手でした。
ライブのチケット販売、人気カフェの限定スイーツ、子どものための幼稚園の願書――行列は日常のあちこちに潜んでいます。
そんなとき耳にしたのが「並び代行サービス」。
最初は「そんなのアリ?」と眉をひそめたものの、調べてみると…意外や意外、使っている人は案外多い。
とはいえ、いざ使うとなると気になるのが**「それって違法じゃないの?」**という点。
さらに、
- 並んでもらっても他の人に迷惑じゃないのか?
- トラブルにならないためには何に注意すればいいのか?
- 料金ってどれくらいが相場なの?
といった素朴な疑問が次々と湧いてきます。
今回の記事では、そんなあなたの疑問に答えるべく、**「行列代行って実際どうなの?」**をテーマに、料金の目安やモラル面の注意点まで、わかりやすくまとめていきます。

調べてみると、この「並び代行」、
実は法的にはグレーゾーンという声も。

トラブルも多く、モラルを問う声も続出しています。
この記事では、そんな「並び代行」の仕組みと問題点、料金相場、そしてトラブルにならないために知っておくべきポイントをまとめました。
知らずに利用してしまう前に、ぜひ最後まで読んでください。
✅ この記事でわかること
- 並び代行って法律的にどうなの?違法?合法?
- どんな場面で使われていて、どこが問題になるのか
- 利用者・周囲の人・お店側…それぞれの視点から見ると?
- 実際の料金相場や依頼方法
- トラブルに巻き込まれないための注意点とは?
※この記事はSNSや体験談、制度情報などを総合的に分析したものです。あくまで一つの視点として参考にしていただき、最終的な判断は自己責任にてお願いします。
並び代行サービスってそもそも何?

「行列代行」と聞いて、何を思い浮かべますか?
たとえば、東京の人気ラーメン店の前。
朝7時から並んで整理券を取らなければ、昼にはもう完売――そんなお店、最近は珍しくありません。
でも平日は仕事で並べない。
そんな時に、代わりに列に並んでくれる人がいたら?
それが、いわゆる並び代行サービスです。
サービスの内容はシンプル。
依頼者本人の代わりに、代行スタッフが現地に出向いて列に並び、指定時間に交代してもらう。
この「交代の瞬間」に多少の気まずさはあるものの、あくまで順番を守っているため、見た目以上にスマートに行われています。
最近では、
- 限定スニーカー販売の先頭争い
- 幼稚園願書提出日の夜中待機
- 有名店の整理券配布
- 花火大会の場所取り
- 展示会・物販のスタートダッシュ対応
など、ありとあらゆる「並び」に対応するサービスが登場しています。
しかも、SNS経由や便利屋サイトでの個人契約だけでなく、法人化した業者まで存在する始末。
サービスのバリエーションも、「途中交代OK」「女性スタッフ指名」「深夜対応」など、まるで高級タクシーのような柔軟さです。
とはいえ、「並んでもらうこと」がどこまで許されるのか、ふと不安になる人も多いはず。
そんなとき、まず知っておきたいのは――
**この並び代行、そもそも法的にアリなのか?**という点です。
次のブロックでは、そのあたりを整理していきます。
✅ 並び代行とは「本人の代わりに並んでもらう」シンプルなサービス
✅ 幼稚園からライブ、グッズ販売まで対応範囲は多岐にわたる
✅ 個人〜法人まで提供者の幅も広く、深夜対応などニーズに応じて進化中
違法なの?合法なの?曖昧なグレーゾーンの真実

「並び代行って、ほんとに合法なの?」
おそらく、これが一番多い疑問です。
結論からいえば――並び代行そのものは違法ではありません。
実際、日本の法律には「代わりに並ぶこと」自体を取り締まる明文化は存在しません。
順番さえ守っていれば、誰がその場に立っていても構わないというのが基本的なルールです。
たとえば、こんなケース。
- 体調が悪い奥さんの代わりに旦那さんが並ぶ
- 友人の分も一緒に整理券を受け取る
- 家族が交代で待機する
このあたりは、日常の中でも「自然な行動」として受け入れられているはずです。
ですが――ここからが重要な落とし穴です。
「合法=何でもアリ」ではない
並び代行の使い方次第ではトラブルに発展する可能性もあります。
特に以下のようなケースには注意が必要です。
- 複数人のチケットやグッズを、1人の代行者が大量に確保する
- 転売目的での並び(とくにプレミア商品の確保)
- 店側が「代理不可」と明示しているのに、勝手に代行を行う
このような行為は、店舗ルールに反したり、迷惑行為として現場で排除されることもあります。
また、都道府県によっては、迷惑防止条例に引っかかる場合もあるとか。
ようするに、「一人が並ぶ=一人分」までが限度という空気感があり、
それ以上になると「割り込み」と捉えられてしまうのです。
「代行1人が、1人分だけ並ぶ」なら比較的安全
逆にいえば、下記のような形であれば、トラブルの可能性は低いと考えられます。
- 並びは代行者1名、交代する依頼者も1名(入れ替え方式)
- 後ろの人たちに一言断ってから交代
- 店のルールに明記がなければ、暗黙的にOKなことも多い
とはいえ、黙って入れ替わると「割り込み」と誤解されることも。
無言ですっと代わるのではなく、後ろの人に一声かけるだけで、空気はガラリと変わります。
要するに、合法かどうかの問題と同時に、マナーと空気感の勝負なのです。
✅ 並び代行自体は違法ではない
✅ ただし「大量確保」や「転売目的」はNGの可能性大
✅ 店舗ルールやマナーを無視すると、現場でのトラブルに発展
実際いくら?料金相場と、ぼったくりの見抜き方


「頼んでみたいけど、相場がわからない…」
そんな人のために、実際の並び代行の料金相場をわかりやすくまとめてみました。
実はこの世界、意外とピンキリなんです。
【基本料金の目安】
内容 | 料金相場(目安) |
---|---|
並び1時間だけ(短時間) | 1,000〜2,500円 |
並び2〜3時間(一般的な依頼) | 3,000〜5,000円 |
並び5時間以上(人気イベント) | 6,000〜12,000円 |
深夜・徹夜を含む | 15,000円〜 |
整理券の確保+引渡しまで対応 | 5,000〜20,000円 |

「いやいや高すぎでしょ!」
と思うかもしれませんが、長時間の立ちっぱなし・屋外での待機・交通費込みと考えれば、ある意味当然。
特に話題の限定コラボやプレミアムグッズの販売日には、**前日夜からの“泊まり込み待機”**も普通にあるため、報酬は高騰します。
【依頼のカラクリと“ぼったくり”の見抜き方】
並び代行って、個人がアプリで受けてることも多いんです。
「ココナラ」「タイムチケット」「アスクビー」などが代表例。
便利ですが、なかにはこんな危険もあります。
- 【要注意1】料金に「現地交通費」「食費」などを上乗せしてくる
- 【要注意2】事前に詳細を伝えず、当日ドタキャン・音信不通
- 【要注意3】無許可のグループ代行で、後々トラブルに巻き込まれる
とくに「○時間まで◯円、その後は追加請求」といった後出しシステムには要注意。
依頼前には、必ず明朗な料金表と口コミ評価のチェックを。
【意外と安い?便利な代行アプリ】
比較的安心して利用できるのは、公式に仲介する代行アプリやサービスです。
こうしたアプリでは、依頼前にチャットで細かく打ち合わせができるため、トラブルも少なく済みます。
✅ 並び代行の相場は1時間1,000円前後〜、深夜や長時間は高額に
✅ 料金の後出し・不明瞭な追加請求には要注意
✅ 代行アプリは比較的安全、口コミ重視で選ぶのが吉
ここが落とし穴!よくあるトラブルと対処法
この“並び代行”で何度も痛い目を見たことがある、という声も。
たとえば「絶対に失敗できないライブチケットの先着整理券」。
代行者に依頼し、安心していたらしいその人のもとに一通の連絡が――
「すみません、体調崩して行けませんでした…」
⇒当日朝、LINEで一言だけ。
それだけ。チケットは当然、手に入らず。
もう一度言います、それだけで終わってしまう危険性があるのです。
【トラブル1:ドタキャン】
**最大のトラブルは「直前キャンセル」や「当日バックレ」**です。
特にアプリや掲示板で「安く済ませよう」とした時に多発します。
・連絡が突然取れなくなる
・前日に「用事ができました」とドタキャン
・現地に行ったけど、そもそも誰もいなかった…
⇒ これ、想像以上にメンタルが削れます。
【トラブル2:集団による“割り込み”で周囲からクレーム】
こんなケースもありました。
「代理で整理券受け取ってもらうだけだから」と頼んだら、
その人が“複数人分”の券を取ってしまって、
後から現地スタッフや他の客に問い詰められる事態に。
並んでいた人たちからは当然ブーイング。
「ルール違反じゃないか」「お前が並べよ」と罵声まで飛び交い、
結局、その整理券は無効にされました。
私が直接割り込んだわけでもないのに――
依頼者である**“私の信用”が失われていくのです。**
【トラブル3:法的グレーゾーンを突かれる】
代行サービスの利用は、地域の条例や施設ごとのルールで制限されていることもあります。
特に「営利目的の代理購入」は、規約違反になるケースもあり、
- イベント主催者から「転売目的」と判断される
- お店から出禁を受ける
- トラブルになっても自己責任になる
こうしたリスクを知らずに依頼してしまうと、
後で痛い目を見ます。本当に、見ます。
【対処法:依頼する前に“ここ”を必ず確認】
- 依頼内容はできるだけ具体的に書く(並ぶ時間、到着時間、引き渡し方法)
- 「対応できる人数」や「行動の範囲」を明記させる
- 万一キャンセル時の対応ルールを事前に決める
- やりとりはすべてスクショで記録(念のため)
✅ 並び代行のドタキャン・割り込みで大損した実例が多数
✅ トラブルは“自分の責任”になりかねない
✅ 依頼前に、リスクを見越して契約内容を明確にするのが鉄則
並び代行は違法なの?グレーゾーンの境界線とは
正直に言います――
「グレーです」。白とも黒とも言い切れません。
だからこそ、**「やっていいこと・やっちゃダメなこと」**を、
最初に理解しておかないと、思わぬトラブルに巻き込まれます。
【そもそも違法なの?】
まず、「並び代行」という行為自体に対して日本の法律で明確に禁止されている条文はありません。
ただし――
- 営利目的の代理購入
- 施設の利用規約や自治体の迷惑防止条例に違反する行為
- 公道や店舗前での長時間滞留
こういったケースに当てはまると、問題になる可能性があるのです。
【グレーになる具体例】
以下のようなケースでは、「それアウトでは?」と指摘されることがあります:
ケース | 法的問題になる可能性 |
---|---|
店舗前の深夜からの場所取り(他人が代行) | 公道使用や迷惑防止条例に抵触 |
複数人分の代理並び・受取 | 「割り込み行為」としてトラブルに発展 |
有料サービスで代行業務を請け負う | 無許可営業や軽微な報酬トラブルに繋がる |
抽選・先着イベントでの整理券取得代行 | 不正取得とみなされる場合あり |
つまり、「誰にも迷惑をかけずに静かに1人並んでいるだけ」ならセーフですが、
そこから一歩踏み出すと、一気にアウト寄りになるのです。
【家族や友人の“善意”ならOK?】
よくあるのが、「家族や友人に頼んで並んでもらうのはアリ?」という疑問。
これは、報酬なしの“個人的な手伝い”であれば、基本的に問題はありません。
ただし、周囲に迷惑をかけたり、割り込みと見なされれば、
やはりトラブルになる可能性があります。
【「お金を払って頼む」のが問題になる理由】
報酬が発生した瞬間から、**単なる手伝いではなく“サービス提供”**になります。
それが、
- 無許可の営業類似行為
- 税務処理の問題
- 消費者間トラブルの原因
につながっていくのです。
✅ 法律で明確に禁止されているわけではないが、状況次第で違法扱いされる可能性あり
✅ 「代行してもらうだけ」でも、迷惑行為や不正取得とされればアウト
✅ 報酬が発生すると、グッとリスクが高まる
安全に並び代行を使うためのチェックポイント5選
「せっかく高いお金払ったのに、ドタキャンされた」
「代行業者が集合時間に現れず、チケットが無効になった」
こうしたトラブル、実は珍しくありません。
でも、ちょっとした注意だけで回避できるんです。
ここでは、**筆者が過去に何度も痛い目にあって学んだ“5つのチェックポイント”**をお伝えします。
1. 「実績のある業者か」を必ず確認
X(旧Twitter)やフリマアプリで見つけた人に、ノリでお願いしていませんか?
実績や評価が明確な業者を選ぶことが最重要です。
- 専用サイトやアカウントがあるか
- 過去の利用者レビューが見られるか
- 顔出しや連絡先の開示がされているか
このあたりを一つでもクリアしていない業者は避けましょう。
2. 「日時・場所・条件のすり合わせ」は細かすぎるほどが◎
「9時集合」のつもりが、「9時に並び始めて」と勘違いされる。
「代表者1名の整理券なのに2人分取ろうとして炎上」など――
意思のすれ違いは、すべて依頼者の責任になります。
細かい条件は文章で残しておくのが鉄則。
トーク画面のスクショやチャット履歴を保存しておくと、万が一の証拠にもなります。
3. 「料金」は相場を把握し、前払いには注意
相場を知らずに相手の言い値で払っていませんか?
- 都内の飲食店行列:1,500〜3,000円前後(1〜2時間程度)
- チケット受取代行:5,000〜10,000円前後
- グッズ購入や限定品並び:10,000円以上も珍しくない
前払いには特に注意。
信頼できる業者であっても、「一部前払い+残金は成功時」など、段階的な支払いが安心です。
4. 「禁止されていないか」公式情報を確認
特に要注意なのが以下のようなイベントや施設:
- 有名飲食店の「店頭張り紙」に“代行お断り”の表記
- アイドルやアニメ系の「物販ガイドライン」で“代表者1名のみ有効”と明記
- 運営が代行業者を特定し、SNSで「晒し」するケース
「バレなきゃ大丈夫」ではなく、バレたら“戦犯扱い”です。
事前確認と“無理はしない”勇気が命を守ります。
5. 「納品証拠・完了報告」の形を決めておく
並び終わったあと、「本当に並んでくれたの?」「受け取り完了?」と不安になる人も多いはず。
- 並んでいる様子の写真
- 整理券の番号画像
- 店舗前の風景+時刻入りのスクショ
こうした**“納品物”の確認方法を事前に決めておく**ことで、
トラブルを減らすだけでなく、双方に安心感が生まれます。
✅ 無名の個人業者には安易に頼らない
✅ 情報は必ず“証拠に残る形”で取り交わす
✅ 支払いや納品条件は事前に細かく決めておく
それでも「代行してまで並びたい」あなたへ、最後に伝えたいこと
並び代行の話をすると、よくこんな声が返ってきます。
「いや、それでも限定グッズ欲しいんだよ!」
「だって、自分で並ぶ時間なんて取れないし」
「最前列を確保したいのに、他の手段がない」
──その気持ち、よくわかります。
筆者も、かつてはそうでした。
でも、何度もトラブルに巻き込まれ、損をして、傷ついてきたからこそ、今はこう言いたい。
本当に「そこまでして得たいもの」なのか?
- 並び代行に数千円〜数万円支払う
- トラブルリスクに怯えながら依頼する
- SNSで晒されるリスクも背負う
それでも欲しい「モノ」や「席」って、本当にあなたの人生を変える価値があるでしょうか?
「並んだ経験」こそ、あとから残る
私が今でも後悔しているのは、欲しいものを手に入れ損ねたことではありません。
一緒に行くはずだった友人とケンカ別れになったこと、
代行で取ったチケットのせいでファン仲間に白い目で見られたこと、
それが、今でも記憶に残っているんです。
手にしたグッズや特典は、結局、数年後には手元にありませんでした。
でも、本当に価値があったのは「自分の足で並んだ時間」や「現場の空気」でした。
「一度立ち止まって考える勇気」も大切に
並び代行が全面的に悪いとは言いません。
うまく使えば、忙しい人の味方にもなり得ます。
でも、その一歩を踏み出す前に、「本当にそれが必要か?」を自分に問いかけてください。
便利さを選ぶか、自分の時間を使うか。
その選択こそが、あなたらしさを形づくるのだと思います。
✅ 並ぶこと自体に価値がある場合もある
✅ 得られる“モノ”よりも、“思い出”が後に残る
✅ 「本当に必要?」と一度自問することで、後悔を減らせる