「鏡をコピー機に入れたら、出てきた紙が真っ黒だった」
もしそんな経験があれば、きっと「なぜ?」と首をかしげたくなったことでしょう。
しかしこの現象は、コピー機の故障でも、鏡の異常でもありません。
そこには、コピー機と鏡の“光に対する仕組みの違い”が深く関係しています。
本記事では、以下のような内容をわかりやすく解説します。
- コピー機がどうやって紙を読み取っているのか
- 鏡の反射の性質と、なぜ黒く写ってしまうのかの理由
- 他にもコピーしにくい素材や似た現象
- 物理がちょっと面白くなる視点の変え方
科学や理科に苦手意識がある方でも、身近な例を交えながら理解できる内容にまとめています。
読むことで「コピー機は何を見ているのか?」という視点がガラリと変わるかもしれません。
※この記事はSNS情報を中心に書かれていますが、意見や感じ方は人それぞれです。推測の域を出ず、異なる意見や見解があることも理解しておりますので、どうかご了承ください。本記事を通じて、少しでも多くの方に伝えられれば幸いです。
コピー機に鏡を入れたらどうなる?

鏡をコピーしたら紙が真っ黒に?それ、実は“正常な反応”です
コピー機の上に鏡を置いて、コピーを実行してみたら――
印刷された紙が真っ黒だった。
これを見て「機械が壊れたのでは?」と不安になった方もいるかもしれません。
ですが、安心してください。
この“真っ黒なコピー”は、むしろコピー機がきちんと働いている証拠です。
その理由をひとことで説明すると、コピー機は**「反射して戻ってきた光」**しか読み取れないからです。
けれど、鏡という素材は、入ってきた光をまっすぐに別の方向へ反射させてしまう性質を持っています。
そのため、コピー機のセンサーの方向に光が戻ってこない。
結果、センサーが「何も見えなかった=黒」と判断するのです。
「写らない」のではなく「光が届かない」だけ
私たちはつい、コピー機を「カメラのようなもの」だと考えてしまいがちです。
つまり、「見えたものをそのまま写す装置」と思ってしまうのです。
しかし、実際のコピー機はそうではありません。
光を出して、それが反射して戻ってきた量を測定して、色を判断するという仕組みで動いています。
白い紙はたくさん光を返すので、センサーに強い反射が届き「白」と認識されます。
黒いインクはほとんど光を跳ね返さないので、「黒」と判断されます。
では鏡はどうでしょう。
鏡も、確かに光を反射しています。
ただし――センサーの方向には返していません。
斜めや横など、別の方向へまっすぐに逃してしまっているのです。
つまり、コピー機側から見ると「何も光が返ってこなかった=黒」になります。
それが、鏡をコピーしたときに紙が真っ黒になるカラクリです。
✅ コピー機は「戻ってきた光の量」だけで判断している
✅ 鏡は光を返すが、センサーの方向には戻さない
✅ 結果、「黒」と誤認されるのは当然の動作
よくある勘違い:「壊れている?」と思わなくてOK
コピー結果が黒く塗りつぶされたようになっていると、「鏡が割れているのでは?」「反射面が下を向いているのかも」と心配になる人も少なくありません。
ですが、これはコピー機の構造上、当然のことなのです。
鏡の裏表や角度のせいではありません。
「何も写っていない」ように見えるけれど、実は“何も見えない仕組み”であって、
それが逆に、コピー機の精度とルールの厳格さを物語っているのです。
コピー機のしくみを知ればわかる

コピー機は「戻ってきた光」しか見ていない
まずは基本のキホンから。
コピー機は、目で見た“見た目そのまま”を写しているわけではありません。
実際のコピー機は、こんなふうに動いています。
- 原稿に強い光を当てる
- 光が紙の上で跳ね返る
- その跳ね返ってきた光の“強さ”や“量”をセンサーが読み取る
- 「この部分は白っぽい」「ここは黒い」と判定しながら、デジタル情報に変換する
つまり、センサーに届いた“反射光”だけがコピーの元になるのです。
見えているようでも、センサーに光が届いていなければ、「そこは真っ黒だった」と判断されてしまいます。
白と黒の紙の違いは“反射の差”だった
この仕組みは、白い紙と黒い文字でも同じです。
白い紙はたくさんの光をまわりに散らすので、センサーにもたっぷり光が戻ってきます。
そのため、「白」として記録されます。
一方で黒インクの部分は、光をほとんど吸収してしまいます。
センサーには光が戻らないので、「黒」と判断されるわけです。
このルールに沿っていれば、紙でも写真でも、色の濃淡をきれいにコピーできるというわけですね。
鏡が相性最悪な理由は“まっすぐ返す”から
ところが、鏡だけは話が別です。
鏡は光をよく反射しますが、それは「好き勝手な方向」ではなく、きっちり入射角と同じ角度でまっすぐ反射するという特徴があります。
するとどうなるか。
コピー機が発した光は、鏡で反射されて――センサーではない方向に飛んでいくのです。
センサーから見ると、「あれ?光が全然返ってこないぞ?」という状態。
だからコピー機は、「ここは黒い部分なんだ」と判断してしまうのです。
✅ コピー機のセンサーは「光が返ってきたかどうか」しか見ていない
✅ 鏡はセンサーに光を戻してくれないため、「真っ黒」となる
✅ この構造こそが、鏡をコピーすると不思議な結果になる理由
鏡の反射は特殊?光の跳ね返り方のクセ
鏡は「光を散らさない」という決定的な違い
ここまでで、コピー機が「戻ってきた光の量」だけを見ている装置だという点は、だいぶ整理できたと思います。
では次に、鏡そのものの性質を見ていきます。
ここが理解できると、「なぜ鏡だけが特別扱いされるのか」がはっきりします。
紙や布、プラスチックの表面は、光が当たるとあちこちにバラけて反射します。
この反射の仕方を、ざっくり言うと「散らばって返す反射」です。
だからこそ、コピー機のセンサーにも、ある程度の光が戻ってきます。
結果として、「白っぽい」「薄いグレー」「濃い黒」といった段階的な判断ができるわけです。
一方で鏡は、まったく違います。
鏡は、光を散らしません。
入ってきた光を、決まった角度で、そのまま跳ね返します。
余計な方向には、ほとんど逃がさない。
これが、鏡の最大の特徴です。
人間の目で見ると、これは「よく映る」という長所になります。
しかし、コピー機にとっては、これが致命的な短所になります。
コピー機の位置は「いちばん光が返ってこない場所」
コピー機の中にあるセンサーは、原稿の真正面に固定されています。
自分が出した光が、まっすぐ戻ってくることを前提に設計されています。
ところが、鏡に当たった光はどうなるか。
センサーの方向ではなく、別の角度へスパッと反射してしまいます。
コピー機側からすると、
「光を当てたのに、ほとんど何も返ってこない」
そんな状態になります。
この時、コピー機は迷いません。
戻ってきた光が少ない=黒。
この単純なルールに従って、黒として記録します。
つまり、コピー機は間違っていません。
鏡も壊れていません。
ただ、コピー機が立っている位置が、
鏡にとっては“いちばん光を返さない場所”だった。
それだけの話なのです。
白い紙と鏡を並べると起きている差
ここで、身近な例に置き換えてみます。
白い紙に懐中電灯を当てると、周囲がぼんやり明るくなります。
これは、光が四方八方に散っているからです。
一方、鏡に懐中電灯を当てると、特定の方向だけが強く光ります。
それ以外の場所は、ほとんど暗いままです。
コピー機は、この「暗い側」に立っている存在です。
だから、鏡を前にすると、何も見えなくなります。
この違いを知っていると、
「鏡が真っ黒になる」という現象が、急に不思議ではなくなってきます。
実験してみたくなる!他にも写らないものがある?
鏡以外に「写らない素材」ってあるの?
鏡が真っ黒になる仕組みを知ると、「他にもコピーできないものってあるの?」と気になってきます。
実はあります。
コピー機の“光の反射量”だけで判断するという特性上、以下のような素材も苦手とされています。
- ガラス板(透明すぎるもの)
光を通してしまい、反射が少ないため真っ黒や薄く写ることがある。 - 金属のような光沢面
鏡と同じように正反射するため、角度によって黒く写ることがある。 - ビニールカバーやクリアファイル越しの原稿
反射や屈折によってセンサーが混乱し、ぼやけたり真っ黒になるケースも。 - 暗い色のツヤあり素材(ラミネート加工など)
一見反射しそうでも、反射方向がずれているため、うまく写らないことがある。
素材の表面が「どの方向に光を返すか」によって、結果が大きく左右されるのです。
つまり、見た目とコピー結果が一致しないケースも少なくないということですね。
見た目とコピー結果が食い違う“面白さ”
たとえば、肉眼で見るとピカピカの銀紙。
これをコピーしてみると、まるで“炭”のように真っ黒になって返ってくることがあります。
逆に、すこしくすんだ紙でも、表面がうまく散乱反射する構造なら、ちゃんと白っぽく写る場合もあります。
この違いこそが、「コピー機は見た目ではなく“反射の量と方向”で物を見ている」ということの証拠。
紙の色や柄以上に、表面の素材感や反射特性がコピー結果を左右しているのです。
✅ ガラスや金属も鏡と同様、角度によって黒くなりやすい
✅ 表面がツルツルした素材はコピー機が“見えない”ことがある
✅ コピー機が見ているのは「色」ではなく「光の動き」
さいごに:この現象から学べる「モノの見方」
光の性質を知れば、世界の見え方が変わる
コピー機に鏡を入れると、真っ黒にしか写らない。
そんな何気ない現象の裏側には、「光の反射」と「機械の仕組み」が密接に関係していました。
一見すると不思議でも、仕組みを知ればなるほど納得できる。
そこには理屈があり、ちゃんと理由がある。
これって、身の回りの“わからないこと”すべてに通じる感覚かもしれません。
「変だな」と感じたとき、ただ不思議がって終わらせるのではなく、
「なぜそうなっているのか?」と一歩踏み込んで考えることで、見える世界が変わってきます。
コピー機は光の探偵?身近な科学の入り口に
コピー機は、紙の上にある色や模様をそのまま写しているように見えますが、
実はひたすら「光がどれだけ戻ってきたか」を淡々と測っているだけの機械です。
だけどその無機質な仕組みこそ、物理の世界ではとても正確で、面白い。
鏡を写せないのは、「感情がないから」ではなく、「仕組みに忠実だから」。
そんなコピー機の“真面目さ”が、かえって人間の興味をくすぐるのかもしれません。
この記事を通して、
コピー機の中で起きている光のやりとりに、少しでも「へえ、そうだったんだ」と感じていただけたなら嬉しいです。
日常に潜む小さな疑問こそ、科学への入口。
次にコピー機を使うときは、ほんの少し、内部で働く「光の探偵」を想像してみてください。
✅ 見た目と仕組みの違いに気づく力が育つ
✅ 日常の“なぜ?”は、学びのきっかけになる
✅ コピー機は、光を通じて物を「見て」いる機械だった
※本記事は一般的な物理現象およびコピー機の動作原理に基づいて作成されていますが、すべての機種や素材に対して同じ結果が得られることを保証するものではありません。ご使用の環境や機器によって挙動が異なる場合があります。あくまで参考情報としてご覧いただき、機器の使用に関しては取扱説明書やメーカーの公式情報をご確認ください。
本記事の参照情報(出典整理)URL
キヤノン公式 技術紹介 サイエンスラボ(デジタル複写機の光学/センサー)
