「銀歯って、勝手に処分されるものなんですか?」
そう問いかける声が、SNSで時折見かけられます。
治療中に外された銀歯を「返してください」とお願いしたのに、歯科医院から「もう捨てました」「返却はできません」と断られた——。そんな経験をされた方もいるのではないでしょうか。
たしかに、銀歯は口の中で長く使われていたものです。
衛生上の判断が重視される医療機関において、感染対策を最優先にして「医療廃棄物」として扱う医院が多いのは自然な流れかもしれません。
ですが一方で、銀歯に使われている金属には一定の価値がある場合もあります。
金銀パラジウム合金を含むその小さな詰め物は、リサイクルの対象にもなり得る存在だそう。実際、歯科医院によっては業者へまとめて回収し、資源として換金されているケースも存在しているようですね。
「それって、自分の銀歯だったのでは?」
「返してもらう方法は、本当にないのだろうか?」
本記事では、そんな内容をまとめていきます。
この記事でわかること
- 銀歯に含まれる金属の種類と実際の価値
- 歯科医院が返却を拒否する主な理由
- 銀歯を回収したいときに取るべき行動順序
- すでに処分されたと言われた場合の対応法
- 今後トラブルを避けるための「治療前の一言」
※この記事はSNS情報を中心に書かれていますが、意見や感じ方は人それぞれです。推測の域を出ず、異なる意見や見解があることも理解しておりますので、どうかご了承ください。本記事を通じて、少しでも多くの方に伝えられれば幸いです。
銀歯は高く売れるのか?

銀歯に使われている金属の種類と価値
「銀歯って、名前のとおり“銀”なんでしょう?」
そう思っている方も少なくないかもしれません。
しかし、実際のところ、歯科治療で使われる金属は「金銀パラジウム合金」と呼ばれる複数の金属を混ぜた素材が一般的です。
この合金には、その名の通り「金(ゴールド)」「銀(シルバー)」、さらに「パラジウム」や「銅」などの金属が含まれており、一定の工業的価値があるとされています。
なかでもパラジウムは、国際相場によっては金を超える価格になることもある、非常に高価な金属です。
それゆえ「小さな銀歯1本でも、金属として考えたら意外と価値があるのでは?」と考える人が出てくるのも、無理はありません。
ただし——ここが重要です。
保険診療で使われる金属は、決して「高純度の貴金属」ではありません。
あくまで実用重視で設計された「合金」であり、純度は低く、工業的リサイクルにおいても厳しい評価をされることが少なくありません。
✅ 銀歯は“貴金属入りの合金”であり、必ずしも高価とは限らない。
1本でいくら?金属の相場と見積もりの仕組み
さて、「銀歯って結局いくらになるの?」という疑問は、誰もが気になるところでしょう。
実は、これがかなり複雑で、「1本=◯円」と即答できるような仕組みにはなっていません。
なぜなら、銀歯の価値は以下のような要素で決まるからです。
- 重さ(グラム数)
- 含まれている金属の種類と割合
- 国際的な金属相場(特にパラジウムと金)
- 業者による査定の方式
たとえば、パラジウムの国際価格が上昇している時期であれば、銀歯の評価も相対的に上がることがあります。
ただし、ほとんどの銀歯は1〜2g程度の軽量であるうえ、正確な含有率も分からないことが多いため、査定は保守的になる傾向にあります。
実際に査定に出すと、数百円〜数千円という金額になることが多く、「思ったより安かった」と感じる方もいるかもしれません。
被せ物ひとつにいったいどれだけ使われてるか知ってますか…?1gいくかいかないかですよ…? 削って外す場合だいぶ減りますし… (´・ω・`)んで、いったいどこで換金する想定なのでしょうか…? 虫歯の治療に使われて何年何十年も口の中に入ってたぐちゃぐちゃの金属片を質屋に持って行って、「2000円にはなるな!」とか考えてるのでしょうか…?
https://x.com/dekopon_cat/status/2017388203968434347
✅ 銀歯の価値は“重さ+含有量+相場”で決まり、1本単位での高額査定は稀。
歯科用金属リサイクルの流通と注意点
では、歯医者で外された銀歯は、その後どうなるのでしょうか?
多くの歯科医院では、取り外した金属を一時的に保管し、その後、専門の回収業者にまとめて引き渡しているそうですね。この「まとめて回収」された金属は、リサイクル業者で溶かされ、素材として再利用される流通に乗るのが一般的だそうです。
この段階に入ってしまうと、「あの銀歯は私のものだから返してほしい」と言っても、個別の識別や分離は現実的に困難となります。
実際には、まとめて溶かされてしまっており、“あなたの銀歯”としての形はすでに失われているからです。
また、個人でリサイクル業者に銀歯を持ち込む際にも、以下のような注意点があります。
- 純度不明の場合、低評価されやすい
- 衛生面で受け取りを拒否されることがある
- 本人確認書類が必要になる場合がある
- 最低取引量が定められている業者も多い
つまり、「銀歯を売る」という行為は、イメージよりもハードルが高く、準備と下調べが欠かせないのです。
そもそもに銀歯を入れると金属の仕入れ値に保険点数が追いついてないので ただ働きどころか、赤字ですw 撤去冠くらい許してあげてw
https://x.com/yarusenaiz/status/2017060901921444345
✅ 銀歯が「再資源化ルート」に乗ると回収は困難に。個人で売るにも手間と条件がある。
なぜ歯医者は銀歯を返してくれないのか?

感染症対策と医療廃棄物としての扱い
治療で外された銀歯は、唾液や微量の血液が付着している可能性があります。
そのため、歯科医院ではこれを「感染性の可能性がある医療廃棄物」として扱う方針をとっていることが一般的だそうです。
医療機関には、感染症のリスクを限りなくゼロに近づける義務が課せられています。
そのため、リスクの有無を細かく判定するのではなく「疑わしきは廃棄へ」という判断を下すことが、安全管理上もっとも無難なのです。
この背景を知らずに「返してもらえなかった」と怒ると、思わぬすれ違いに繋がることもあります。
大半の医院は「雑に処分している」のではなく、「万が一」に備えて“安全側に倒す判断”をしているにすぎません。
✅ 銀歯は「感染の恐れあり」と見なされ、返却よりも廃棄が優先されやすい。
院内ルールと責任回避の観点
もう一つ大きな理由は、万が一返却後に何かトラブルが起きた場合、医院側が責任を問われる可能性があるからかもしれません。
たとえば、銀歯を持ち帰ったあとに破損してケガをした場合や、別の用途で不適切に使用されて問題が生じた場合。
医院が「返却した事実」を記録していなければ、責任の所在があいまいになってしまいます。
これを避けるために、医院側は「そもそも返却しない」というルールで統一していることも少なくないようです。また、銀歯を返却するには患者との間に同意書を交わす必要が生じるケースもあり、運用面での負担も大きくなるため、慎重にならざるを得ないのです。
✅ 医院は“安全・法的責任・事務負担”の3点から、返却を避ける傾向がある。
「返せない」は法律上の問題?
ここで気になるのは、「法律で禁止されているわけではないのか?」という点です。
現時点で、銀歯の返却について「返却してはならない」「必ず返却しなければならない」といった点を直接定めた法令や通知は、一般に広く共有された形では確認されていないようです。
そのため、返却の可否は法律上の結論というよりも、各歯科医院が行っている衛生管理や院内運用、事前の説明や同意の有無によって判断されているケースが多いと考えられます。
ただし、返却するかどうかは、最終的には医院ごとの判断=運用レベルの問題に委ねられているのが実態です。これはつまり、法律の問題というより「事前に確認したかどうか」で結果が大きく分かれるということです。
実際、事前に「銀歯を返してほしい」と伝えたことで、快く対応してくれたという報告も見られます。
✅ 法的にはグレーだが、運用としては“先に伝えた人が有利”な構造になっている。
銀歯を回収するためには?
院内にまだ“ある”かどうかを、まず確認
銀歯を返してもらえるかどうかは、「まだ処分されていないか」が重要なポイントになります。多くのケースでは、撤去後すぐに処分されるわけではなく、一時的に保管されていることもあるようです。
そのため、まず医院に連絡を取る際には、次のように状況確認から入るのが効果的だと考えられます。
- 銀歯は現在も院内に保管されていますか?
- 処分に関する同意や説明は、いつ・どのような形で行われましたか?
- 回収業者にすでに引き渡された段階でしょうか?
こうした冷静な質問を優先することで、相手側も対応しやすくなり、話がスムーズに進む可能性が高まります。
✅ 回収を望む場合、「まだ残っているか」の確認が最初の分岐点となります。
希望を伝える際は、目的を短く明確に
医院に返却を依頼する際、気持ちが先行してしまうと、説明が長くなってしまいがちです。
しかし現場では、「なぜ返してほしいのか」をシンプルに伝えることが効果的だとされています。
たとえば、以下のような一文にまとめると良いかもしれません。
- 「自分で保管したいので、返却を希望します」
- 「リサイクルに出す予定があるため、持ち帰りたいです」
長々とした説明よりも、こうした端的な目的提示が、医院側の判断をスムーズにする要因になると考えられます。
✅ 「返してほしい理由」は一言にまとめた方が受け入れられやすい傾向があります。
拒否された場合の代替案も想定しておく
もし「感染対策のため返却はできません」といった理由で断られた場合、そこで対立的になるのではなく、代替案を出す姿勢が大切です。
以下のような提案は、現場で受け入れられることもあるようです。
- 「滅菌した状態で返却いただけますか?」
- 「密封容器などで対応できる方法はありますか?」
- 「返却が難しい場合、院内でリサイクルされるのか、廃棄扱いかだけでも教えてください」
後者は、「返せないなら、どう扱われるのか」を丁寧に知っておきたいという趣旨であり、
医院側も軽視しづらくなる可能性があります。
✅ 「返却できない」と言われた後の交渉には、現実的な代替案が有効とされています。
さいごに:銀歯トラブルを防ぐために、今できること
銀歯を返してもらえなかった──。
その一言には、「自分のものだったはずなのに」という感情と、「本当は価値があったのでは?」という疑念が入り混じってしまいますよね。
しかし実際には、返してもらえるかどうかは“制度の問題”ではなく“タイミングと意思表示”で決まることが多いと考えられます。医療機関側には、感染対策や法的責任という明確な事情があるため、処分を前提とした運用になっていても不思議ではありません。
けれども、「治療の前に一言だけ確認しておく」ことで、その流れは変えられる可能性があります。
たとえば、
- 「撤去した金属は処分せず、返却希望です」
- 「同意書があれば、持ち帰り希望として記載したいです」
このようなひとことがあるだけで、医院側の判断は慎重になり、返却という選択肢が現実的になる場合もあります。
もしすでに返却が難しくなったとしても、
説明の有無や処分の時期を丁寧に確認することで、第三者に相談する際にも有利に働く可能性があるでしょう。
そして何より大切なのは、今後の後悔を未然に防ぐことです。
銀歯に限らず、治療で何かを「外す」「除去する」場面では、
「持ち帰りたい」という意思があるなら、遠慮せず最初に伝えることが、最も確実な対策かもしれません。
参照情報
- 廃棄物処理法(英語版)|Japanese Law Translation
- 歯科用水銀とアマルガムの適正処理(PDF)|環境省
- 医療機関からの産業廃棄物処理指針(PDF)|東京都医師会
- 歯科医療機器 廃棄処理ガイドライン(PDF)|日本歯科器械工業協同組合
- 銀歯返却の実務傾向|Buysela Japan
- 銀歯返却トラブルの相談例|Hanonet
- 歯科金属の再利用と撤去後の流れ|磯野歯科医院
- 感染性医療廃棄物の扱い|tids.jp
本記事は一般的な情報提供を目的としており、取引や判断、基準、対応、販売方針、及び事業者間の対応の妥当性等について、いかなる法的助言・確約・推奨も行うものではありません。内容は公開時点の情報をもとに執筆しており、正確性・完全性・最新性について保証するものではありません。また、記載される企業・製品・個人・団体に対する名誉毀損、風評誘導、信用棄損、営業妨害を意図したものではなく、いかなる立場にも偏ることなく、客観的整理に努めています。記事内で紹介される制度、ルール、商慣習、運用実態等は流動的であり、実際の運用や判定基準等は事業者・団体により異なる場合があります。購入、売却、通報、クレーム、訴訟、交渉、炎上対応などの判断を行う際は、必ずご自身で一次情報をご確認の上、正規の窓口にて対応してください。本記事を参照または引用したことによって発生したいかなる損害・不利益・誤解・風評・炎上・混乱についても、筆者および運営は一切責任を負いかねますので予めご了承ください。
